大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)71 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

公職選挙法二五一条の趣旨は、当選人がその選挙に関し同条所定の選挙犯罪を犯

し、よつて刑事訴訟手続に従い裁判所の確定裁判により刑に処せられたときは、そ

の当選人の当選は無効とするというにあり、また、同法二五一条の二の趣旨は、選

挙運動を総括主宰した者又は出納責任者が同条所定の選挙犯罪を犯し、よつて同様

確定裁判により刑に処せられたときもその当選人の当選は無効とするというにある。

そして当選人または選挙運動者もしくは出納責任者がその選挙に関し右のいずれか

の選挙犯罪を犯したか否か、如何なる刑に処すべきかの判定は専ら刑事訴訟手続に

従い裁判所の裁判によつてのみなされるべきものであるこというまでもない。公職

選挙において当選人と決定された者もしくは選挙運動総括主宰者等が公職選挙法の

いずれかの罰則に違反する行為をしたか否か、これにつき如何なる刑に処すべきか

の問題については、同法二〇六条、二〇七条所定の手続において異議決定もしくは

訴願裁決をする選挙管理委員会または当選の効力に関する裁判をする裁判所はこれ

を審理判定する責務権限を有しない。されば、かりに上告人主張のような事実があ

つてそれが同法二五一条もしくは二五一条の二に定めた犯罪に当るとしても、この

事実を本件訴訟において原審が審理判定し、よつて本件訴願裁決を取り消し所論の

Dの当選を無効とする判決をすることは許されないものといわなければならない。

そしてDが刑事事件において右上告人主張のような犯罪事実により有罪の確定裁

判を受けた事実は原審で何ら主張立証がなく認められないのであるから、被上告人

委員会が本件訴願裁決に当り右主張事実について審理しなかつた点には手続上の違

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法はなとの趣旨の原審の判断は相当である。論旨は憲法三二条違反をいうけれども、

それは原審の右公職選挙法の解釈が誤であるとの主張をその実質もしくは前提とす

るものに過ぎないから採用するに足りない。原判決は相当であり論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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