大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)1960 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人中村領策の上告趣意は憲法違反をも論ずる所があるけれども、その実質は、

事実誤認、これを前提とする法令違反を主張するに外ならないのであつて、刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。〔公職選挙法二二五条は広く公職の選挙の自由に影

響を及ぼすべき危険ある行為を処罰する趣旨の規定であつて、同条一号の「選挙に

関し」選挙人に暴行を加えたというがためには、選挙人に対する暴行が、選挙に際

し投票又は選挙運動に基因してなされるか、或は選挙に関する事項を動機としてな

されれば足りるのであつて、犯人及び被害者がどの候補者を支持又は援助するか或

はどの候補者の選挙運動者であるかの如きは、犯罪成立の要件に属しないものと解

すべきである(大審院大正一三年(れ)第一八七三号同年一二月八日判決、刑集三

巻八六〇頁参照)。而して第一審判決は、被告人等は、同判示の選挙に際し、選挙

人であるAがその候補者中、被告人等の支持するBに対立するCに好意を示しその

援助を求めるか如き発言をしたことに憤激し、共同して右Aに対し暴行を加え、因

つて同人に傷害を負わせた事実を適法に認定し、右所為は、公職選挙法二二五条一

号所定の犯罪を構成する旨判示して居るのであつて、これを維持した原判決に所論

の法令違反はない。〕

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三六年三月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

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