大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)371 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意及び同補充は単なる訴訟法違反(審理不尽)及び事実誤認

の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。弁護人青柳盛雄、同青柳孝

夫の上告趣意第一点及び弁護人植松圭太の上告趣意(補充書)第一点は憲法三八条

三項違反を主張するが、右憲法の条項が自白を唯一の証拠とすることを禁止したの

は、もともと罪となるべき事実そのものの認定に関するものであることは昭和二三

年七月二九日大法廷判決(刑集二巻九号一〇一二頁参照)の趣旨に徴し明らかであ

る。しかして原審が量刑当否の判断に当り考慮した被告人の本件犯行の動機態様、

罪質、被害の結果、犯罪後の情状、その他被告人の年令、経歴、境遇等の一切の事

情の如きは元来罪となるべき事実ではないから、証拠によりこれを認める場合にお

いても右憲法の条項による制限を受けず被告人の自白のみにより認定しても差支え

ないと解すべく(昭和二九年一二月二四日第二小法廷決定、刑集八巻一三号二三四

三頁参照)、しかも原審は右の諸事情を記録中の各証拠を綜合して認定したもので

あつて、被告人の自白を唯一の証拠として認定したのでないことはその判文上明白

であるから、原判決にはなんら所論の違法は存しない。同各第二点は憲法一三条は

じめ憲法の諸原則違反を主張するが、実質は単なる訴訟法違反(審理不尽)及び事

実誤認の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても

同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり判決する。

公判出席検察官 中村哲夫

昭和三六年二月二一日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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