大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)493 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人北河安夫の上告趣意第一点について。

所論は原判決は大審院の判例に相反する判断をしたというのであるが、所論引用

の各判例は要するに有価証券偽造罪乃至同虚偽記入罪の成立するには、その名義の

被冒用者が実在人であることを要するという趣旨を判示するものであるところ、そ

れらはいずれも既に昭和三〇年五月二五日の当裁判所大法廷判決(集九巻六号一〇

八〇頁参照)により変更されているのであるから、所論大審院判例に反することを

主張する論旨は、刑訴四〇五条三号に定める上告の理由に当らない。

同第二点について。

所論は量刑不当の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

被告人両名の弁護人井上吾郎の上告趣意について。

所論は、量刑不当の主張を出でないものであつて適法な上告理由に当らない。

被告人両名の弁護人徳崎香の上告趣意第一、二点について。

所論はいずれも事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。

同第三点について。

所論は違憲をいうが実質は事実誤認、法令違反、量刑不当の主張に帰するもので

あつて、適法な上告理由に当らない。

同第四点について。

所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

- 1 -

昭和三五年六月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!