大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)861 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A、同B、同C、同D、同Eの弁護人小牧英夫、同松本健男の上告趣意第

一について。

所論は、判例違反を主張する。

しかし、引用の当小法廷判例は、事案を異にし本件に適切でなく、また、原判決

は、所論引用の当裁判所大法廷判例と相反する判断をしたものとは認められないし、

さらに、所論のように、引用の各大審院判例に違反し、他にとるべき方法があると

きは正当防衛の成立する余地がない旨の判断を示したものとも認められないから、

所論判例違反の主張は、採るを得ない。

同第二について。

所論は、原判決の憲法二八条違反を主張するけれども、同条は、使用者対被使用

者の関係に立つものの間において、経済上の弱者である被使用者のために団結権な

いし団体行動権を保障したものであるところ、この保障もその権利の無制限な行使

を許容し、それが国民の平等権、自由権、財産権等の基本的人権に優位することを

是認するものでなく、従つて、被使用者の使用者に対する団体交渉において刑法所

定の暴行罪等にあたる行為が行われた場合にまで、その適用があることを定めたも

のと解すべきでないことは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三一九号、同二四

年五月一八日大法廷判決、刑集三巻六号七七二頁、昭和二三年(れ)第一〇四九号、

同二五年一一月一五日大法廷判決、刑集四巻一一号二二五七頁)とするところであ

り、原判決の是認する第一審判決の認定した本件事実によれば、被告人等が本件各

所為につき刑責を免れ得ないこと、右各判例の趣旨に徴し明白というべきである。

論旨は採るを得ない。

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同第三並びに被告人Fの弁護人藤田三郎、同藤井信義の各上告趣意及び被告人B

の弁護人窪田澈の上告趣意第一点について。

所論は、いずれも事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

被告人Bの弁護人窪田澈の上告趣意第二点について。

所論は、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条(なお、被告人Bにつき同一八一条一項但書)により裁判官全

員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三九年三月三一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 田 中 二 郎

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