大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)129 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人徳永平次の上告理由第一点ないし第三点について。

論旨は、要するに、原判決には法規の解釈を誤り、かつ、審理不尽、理由不備、

理由齟齬の違法がある、というにある。しかし、原判決は、挙示の証拠により、訴

外Dが割引により金融を得させるからとて被上告人Bから本件約束手形の交付を受

け、同訴外人は上告人に対し更にこれが割引の周旋を委託して本件約束手形を上告

人に預けたに過ぎない旨の事実を認定して、上告人は本件約束手形上の権利を有す

るものでないと判断し、よつて上告人の本訴請求を排斥していることは、原判文上

明白である。そして、原判決挙示の証拠に徴すれば、右認定を首肯できないもので

なく、また、形式上連続した裏書による手形の所持人は形式的受領資格を有するも

のではあるが、手形債務者はその所持人が実質的には無権利者であることを証明し

て手形金の支払を拒絶することができるものと解すべきであるから、原判決には所

論の違法は認められない。なお論旨引用の大審院判例はいずれも事案を異にし本件

に適切でない。所論は、ひつきよう、原判決を正解せずして原判決を非難するもの

で、採用できない。論旨はすべて理由がない。

よつて、民訴四○一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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