大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)1341 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

上告代理人皆川泉の上告理由第一点について。

民法七一五条所定の被用者とは、報酬の有無、期間の長短を問わず、広く使用者

の選任に因り、その指揮監督の下に使用者の経営する事業に従事する者を指称する

ものであつて、父の命によつてその事業に従事する者もた同条所定の被用者に外な

らない。而して、記録に徴せられる弁論の全趣旨によれば、被上告人の主張すると

ころは、本件事故は、右の意義において上告人A1が上告人A2の経営する農業の

ための被用者として、その事業の執行につき発生させたものであるから、上告人A

2も亦損害賠償義務があるとするにあること、明らかであり、第一審判決及びこれ

を引用する原判決を通じ、これ等にその趣旨が摘示せられ、原審は、この主張の通

り認定判断して居るのである。したがつて、原判決には、所論の違法はない。

論旨は、理由がない。

同第二点について。

所論民法七一五条第一項但書に規定する使用者の免責事由は、使用者たる上告人

A2にその主張立証の責任があるところ、記録に徴するも、被上告人が民法七一五

条第一項本文に当る事実の主張をしたのに対し、上告人A2は、単なる否認の答弁

をしたにすきずして、その答弁は、所論の如き抗弁となし得る同条項但書の免責事

由の主張までも含んで居るものとは、到底、解し得ない。

論旨は、独自の見解を主張し、これを前提として原判決の違法を云為すものであ

つて、これを採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

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主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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