大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)1400 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人中村栄治の上告理由第一点について。

論旨は、D、E方の尋問事項に対する各回答書を原判決において事実摘示に記載

しなかつたことは違法であるというが、右各回答書は当事者の提出した証誕でない

から、記載しなかつたことは当然である。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は、上告人の出納責任者はFであつて、Gは自ら出納責任者であることを知

らなかつた旨を主張するが、要するに、原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断な

いし原判決において適法になした事実の確定を非難ずるもので、採用できない。論

旨は理由がない。

同第三点について。

論旨は、甲一〇号証(第七回公判調書)の写に脱漏がある旨を主張するが、原審

は原本を証拠としているのであるから、これによつて原判決を違法ということはで

きない。また、論旨は、原判決は形式的に出納責任者になつている者が一定の犯罪

を行えば公職選挙法二二一条により当選人の当選が無効になるものと解している旨

を主張するが、原判決の趣旨はGが形式上のみならず実質上も出納責任者であつた

との認定の下に上告人の当選を無効としているのであることは、原判文上明らかで

あるから所論は採用できない。その他の論旨は、原判決において適法になした事実

の確定を非難するに過ぎないので、採用できない。論旨はすべて理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

- 1 -

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!