大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)482 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大野幸一、同田中平八の上告理由第一点について。

しかし、原判決挙示の証拠によれば所論引用の原判決の認定は是認できる。所論

は、原判決を正解せず、原審が適法にした事実認定を非難するものであつて、採用

できない。

同第二点について。

手形を所持する者でなければ手形金の支払を請求することをえないものであるが、

本件において原審の確定したところによれば、訴外Dは被上告会社より本件約束手

形金の取立の委任を受け、上告人方に交渉に赴き、上告人の息子でありその代理人

である訴外Eの要請により、原判示物品を本件手形金に対する五万円の内入弁済と

して交付を受けた際、Eから、手形金の残額について支払方法を講ずる必要がある

から手形を暫時預けておいて貰いたいと頼まれ、これを承諾して、同人から預り証

を徴して本件約束手形を同人に預託して帰つたというのであるから、このような場

合、被上告会社において手形を所持することなく上告人に対し手形金の支払を請求

したとしても、上告人において、被上告会社の所持人たることを争い、その支払を

拒絶しえないと解するを相当とする。結局これと同趣旨に出でた原審の判断は正当

として是認すべきである。

同第三点について。

本件は上告の理由なき場合であるから、上告人の民訴一九八条二項による請求は

棄却すべきである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

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