大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)604 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人森信一の上告理由第一点について。

農地調整法第四条によれば、自作農創設特別措置法により政府より売渡を受けた

農地といえども、都道府県知事の許可又は市町村農地委員会の承認を受ければその

所有権を他に移転しうるものであつて、自作農創設特別措置法第二八条もこの結論

を左右するものではない。原判決は、控訴人(上告人)が政府より自作農創設特別

措置法により売渡を受けた本件農地を被控訴人(被上告人)に売り渡し、右売買契

約につき山形県知事の許可を得た事実を認定し、右売買契約は右許可処分のなされ

た日に効力を生じた旨を判示したものであるから、原判決に所論の法律の解釈を誤

つた違法がない。論旨は採用できない。

同第二点および第三点について。

原判決は、控訴人被控訴人間に昭和二六年一二月二五日締結された本件農地売買

契約につき、昭和三一年一月二四日付所有権移転許可申請がなされたこと、右許可

申請は、控訴人被控訴人双方の意思に基いてなされたこと、山形県知事は、右許可

申請に基き昭和三一年六月七日許可処分をなした旨を判示したものであつて、右判

示は挙示の証拠により肯認できる。右許可申請書には、本件売買契約所定の代金と

は異つた代金額が記載されたこと、本件農地の所有権移転の時期として本件売買契

約に取り極めのない日時が記載されたことは原判決の肯定するところであるが、契

約締結の日時について虚偽の記載があるわけではなく、また、右のように記載され

るに至つた原判決判示の事情をも考慮すると、右の事実だけをもつて右許可処分が

前記売買契約に対する許可処分でないと解すべきではない。されば、本件売買契約

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は、右許可処分により効力を生じたものというべきであつて、原判決に所論の法律

解釈の誤り、審理不尽、理由齟齬、理由不備、判断遺脱の違法がない。論旨はすべ

て採用できない。

同第四点について。

所論指摘の判示は、原判決挙示の証拠によつて肯認できるから、原判決に所論の

審理不尽、判断遺脱の違法がない。論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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