大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)729 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人春原源太郎の上告理由第一点について。

原判決の引用する第一審判決理由においては、上告人が控訴審においてなした所

論の主張に対する判断も尽されているから、原判決に所論の判断遺脱、理由不備の

違法がない。論旨は採用できない。

同第二点および第三点について。

原判決引用の第一審判決確定の事実関係、ことに、被告銀行(被上告人)D支店

がF製造株式会社より本件手形の不渡取消の手続を依頼されたので、被告銀行E支

店宛その旨の打電をしたこと、被告銀行E支店の預金係長Gは、原告会社(上告人)

が既にH手形交換所において正規の警戒の措置を受けており、手形交換所に対する

予戒不渡届の提出により直ちに取引停止処分を受ける状態にあつたので予戒不渡届

の提出を防止すべき何らかの措置を即刻なすべき必要に迫られていたのにこのこと

を知らず、数十分後に本件手形の不渡返還を受けてから単なる不渡届撤回の措置を

とつたこと、H手形交換所の予戒不渡届取扱規定によれば右不渡届の撤回期間は不

渡返還日より起算して営業日三日間とする旨が定められていたこと、被告銀行E支

店は、原告会社とは取引関係がなく、原告会社が前記のごとき特殊の状態にあるこ

とを知ることが不可能であつたことなどの事実関係の下において、被告銀行に過失

がないとする右判決の判断は、当裁判所も正当としてこれを是認する。所論は、右

判決の趣旨とするところを正解せず、右と異る見解の下に原判決を非難するもので

あるから、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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