大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)732 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を仙台高等裁判所に差戻す。

理 由

上告代理人浜辺信義の上告理由は、本判決末尾の別紙記載のとおりである。

右上告理由第一点について。

原判決の確定した事実は、被上告人が昭和二八年八月一〇日上告人から本件立木

を買受け、即日買受代金の一部金三五万円を上告人に交付したが、同年一一月二八

日に至り内容証明郵便をもつて上告人に対し、同年一二月三日までに右立木の引渡

をしないときは売買契約を解除し前示金三五万の返還を求める旨、債務不履行を原

因とする条件付解除の意思表示をなし、該意思表示はその頃上告人に到達した、と

いうだけであつて、右売買契約により売主たる上告人の負担した立木引渡義務の具

体的内容(たとえば、立木のまま引渡せばよいのか、伐採の上引渡すことを要する

のか、の如き)、履行期等は何ら明らかにされていない。それ故、右確定された事

実だけによつて、前示解除の意思表示の前提たる履行催告が果して適法な催告であ

るかどうか、また、上告人が具体的にどのような行為をすれば本旨に従う履行とい

えるか等の諸点を判断することはできないといわなければならない。

然るに、原判決が、(一)前示確定事実だけによつて、前示解除の意思表示は上

告人の不履行を条件としてその効力を生じ得べきものと速断するのみならず、(二)

原判決が上告人の履行済の抗弁に対する反証として挙示する甲第一号証以下の書証

人証にさえ、上告人が本件立木の若干を伐採引渡したことを認め得べき記載ないし

陳述が存するに拘らず、たやすく本旨に従う履行があつたことを認め得ないと断定

しているのは、いずれも審理不尽理由不備の違法があるものであつて、論旨は結局

理由があり、原判決は破棄を免れない。

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よつて、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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