最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)757 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由第一点について。
論旨は原判決が無効とした「A豊」なる一票を上告人に対する有効投票である旨
を主張するのである。しかし、本件選挙にD豊なる候補者があるのみならず、豊と
清とに類似性も乏しいから、豊をもつて清の誤記と認めることは因難であり、この
一票は無効とした原判決は正当である。
同第二点について。
論旨は原判決が(8)の投票を無効としたのについて判断遺脱または審理不尽の
違法があるというのであるが、所論は結局原判決が認定した他事記載は他事記載で
はないというに帰する。しかし、所論のように、名の記載そのものが判断し難い場
合でも、名の記載と認められるもののほかに記載があれば、他事記載と解して支障
はなく論旨は理由がない。
同第三点及び第四点について。
論旨は右一票について他事記載でない旨を主張するのであるが、原判決もいうよ
うに他事記載とはその目的、意義等を問わず、意識的な記載であれば他事記載と解
すべきであつて論旨は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
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裁判官 垂 水 克 己
裁判官 高 橋 潔
裁判官 石 坂 修 一
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