大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)10 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人江川庸二の上告理由第一点について。

論旨は、原判決が上告人の住所を認定するにあたり、その「形式的、客観的な面

をみるに偏し、その然るべき経緯を無視し、又上告人の主観的意欲を無視し」たの

は、公職選挙法九条、一〇条に規定する住所の解釈を誤つたものであると主張する。

しかし本件のように、上告人の住所がa村にないことが、客観的事実だけですでに

明らかに判定できる場合には、更らにその上にその主観的意欲等を考慮に入れる余

地はないものと解される。従つて原判決には所論のような違法はなく、論旨は採用

できない。

同第二点について。

論旨は、原判決は憲法二二条に違反すると主張する。しかし公職選挙法上の住所

の認定は、当該個人が自由に選択した生活の中心の認定であつて、憲法二二条とは

何等の関わりもないことである。論旨は原判決を非難するに違憲の語を藉りるに過

ぎないものであつて、採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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