大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)11 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人井戸弘道の上告理由について。

本件契約解除は信義則に違反しない旨の原審の判断は、その認定した具体的事実

に徴して肯認しうる。かりに所論の金融措置令等により新円の実質価値が封鎖預金

のそれに比し極めて貴重となつていたとすれば、上告人が履行を怠つた金二、九四

三円もまた貴重というのほかないから、このことは原審の右判断を正当ならしめる

ものでこそあるが、これを違法とする根拠とはならない。その余の論旨は、原判決

の認定しない事実に立脚して右判断を違法とする主張であつて、採用しえない。

上告状記載の上告理由は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定の非難

および原判決のいずれの点が不法であるかを指摘せずして原判決の法の解釈適用の

誤をいうものにすぎず、すべて上告適法の理由とならない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

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