大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)1135 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高岡次郎の上告理由第一点について。

原判決は、証拠に基づき、上告人(原告)主張のような金員を交付ないし支出し

た事実は認められるが、それは組合契約に基づく出資金の趣旨で交付ないし支出さ

れたものであつて、上告人が請求原因として主張するような貸金又は立替金ではな

いとして、請求原因事実を証拠上認められない趣旨を明らかにし、上告人の本件貸

金及び立替金返還請求を棄却したのであるから、前示組合契約の出資総額、上告人

の出資額等所論の各点についてまで事実を確定しなくても、何ら審理不尽理由不備

の違法はない。論旨は理由がない。

同第二点について。

民訴三三六条によれば、当事者尋問は裁判所が他の証拠調により心証を得る能わ

ざる場合補充的に行うべき証拠調とされているけれども、これがため当事者尋問の

結果と他の証拠との間に当然証明力の格差があるものと解すべきではなく、その証

明力はひとしく裁判官の自由心証に委されているものといわなければならない。そ

れ故、原判決が、本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によつてその本人の件成にかか

る所論の書証が便宜上その文言と異る趣旨で作成された事実を認めた上、右書証に

よつては上告人主張の貸付金債権存在の事実認定の資料となり難いとしたことには、

所論の違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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