大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)1189 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人増田弘の上告理由第一点および第二点について。

論旨は、いずれも、本件農地買收処分が有効であることを前提として、これを当

然無効と判断した原判決にそれぞれ所論の違法があるというのである。

しかし、原判決の確定したところによれば、本件農地買收処分は、自作農創設特

別措置法三条の規定によるものであり、上告人知事において買収令書を作成したが、

同令書は逐に交付されなかつたというのであるから、行政処分としては成立しても、

効力を生ずるに由ない無効の処分と解するのが相当である。�

されば、原判決が本件農地買收処分は無効であるとして、被上告人らの本訴請求

を認容したことは、正当としてこれを是認すべく、論旨はすべて、その前提を欠く

に帰し、採用できない。

同第三点について。

論旨は、原判決が本件農地買收処分については買收令書の交付がなかつたと認定

したことに採証法則違背、審理不尽の違法があるという。

しかし、原判決挙示の証拠に照合すれば、原判決の所論事実認定は首肯できない

わけではなく、その認定の過程に所論の違法があるを見い出し得ない。論旨は、ひ

つきよう、原審の専権に属する証拠の取捨、選択、事実の認定を非難するに過ぎな

いものであつて、採用の限りでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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