大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)1350 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一について。

原判文に「原審及び当審の被控訴本人の供述は前記被控訴本人の尋問の結果とく

らべて直ちに信用し難い」との記載があることは、所論指摘のとおりであるが原判

決ならびにその引用にかかる第一審判決を前後通読し、記録にあたつて検討すれば、

右前段の「被控訴本人」は明らかに「控訴本人」の誤記であり、右「原審及び当審

の」なる記載は「原審の」の誤記であることも明白であるから、原判決の理由不備

その他の違法ありとする所論は採用できない。

同第二の一について。

所論指摘の原判決記載「控訴人及びその代理人」は判文の前後通読により「被控

訴人及びその代理人」の誤記と認められるところ、結局において所論指摘の点は、

上告人のために本件買取請求権の主張を認容した原判決の結果に影響しないことで

あるから、所論は採用できない。

同第二の二について。

原判決が所論の時点を本件借地期間満了直後と認定したことは、挙示の証拠関係

から肯認できるところであり、右につき審理不尽をいう所論の実質は原審が適法に

なした右証拠の取捨、事実認定の非難に帰着し採用できない。

同第二の三について。

所論は、原判決の条理ないし経験則違背をいい且つ審理不尽をいうが、原判決に

所論違法は認められず、所論はひつきよう原審の専権たる採証認定の非難に帰し上

告適法の理由とならない。

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同第三について。

原判示中所論主張事実と認定事実との間に所論の如き相違点があるからといつて、

民訴一八六条の違反ありとはいい得ないから所論は採用のかぎりでない。

同第四について。

所論は、原判決の採証法則違反をいうが、その実質はすべて、原審の適法になし

た証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰着し、上告適法の理由とならない。

同第五について。�

原判決が、判示諸般の事情を彼此考量して所論正当事由ありと判断したことは首

肯できる。そして、原審は、被上告人の生活維持のため本件土地を判示のごとき方

法により使用する必要のあることを認定するに当り、単なる一事情として所論のご

とき点にふれたまでのことで、この点に重きを置いたものとは考えられないから所

論前段はその理由なく、また、右正当事由有無の判断において原判決が公平の原則

に違反し法律解釈を誤つたとの所論も原判示を正解しないことによるもので採用で

きない。�

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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