大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)232 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

被上告会社の本訴請求原因は、要するに、本件取引により被上告会社に対し上告

人の負担するに至つた売掛代金債務の履行を請求するにあつて、原審の所論口頭弁

論期日における被上告会社の所論訂正補充は、単に本件取引の日時、期間に関し、

被上告会社の従来の主張を明かにするに過ぎない。したがつて、右訂正補充は、本

訴請求の同一性に何等の影響を及ぼすことなく、請求または請求の原因の変更とい

えないのであるから、これを書面によつてなし、かつこの書面を上告人に送達する

ことを要するものではない。されば、被上告会社が右訂正補充を準備書面に記載す

ることなくして、上告人の在廷しない所論口頭弁論において主張しても、これを以

つて所論の如く違法となし得ない。�

論旨は、採用し得ない。

同第二点について。

原判文によれば、原審は、原判決挙示の証拠により、上告人が被上告会社に対し

原判示の期間中負担するに至つた本件売掛代金債務の金額を一八万七、〇八四円と

認定し、その内弁済ずみであることにつき当事者間に争のない四万二、七八六円を

差引き、残額一四万四、二九八円の債務が存在する旨認定して居るのであつて、右

認定は是認し得られる。しかも原審は、所論乙号証によつては、右認定を覆し得な

い旨認定判断して居るのであるから、右判断は、前叙確定の弁済の外、三万五、〇

〇〇円の弁済があつたとする上告人の所論主張を排斥した趣旨であること、自ら明

かである。されば、原審の判断に所論の違法はない。

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論旨は、結局、原審の裁量に委ねられた証拠の判断、事実の認定を非難するに帰

するから、採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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