大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)303 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人青柳孝、同青柳孝夫の上告理由第一について。

所論は、控訴人(被上告人)が大正一三年頃訴外Dから本件土地を買い受け、そ

の所有権を取得した旨および控訴人は本件土地の管理を被控訴人(上告人)に委託

し、被控訴人に小作料を収納させていた旨の原審の認定を非難するものであるが、

右認定は、原判決挙示の証拠により、肯認することができる。したがつて、原判決

に所論のような違法はなく、所論は、ひつきよう、原審の適法にした証拠の取捨判

断および事実の認定を非難するに帰するものというべく、採用できない。

同第二の一について。

所論は、控訴人が大正一五年頃甲府市a町に家屋を新築するに当り、その建築資

金として被控訴人から控訴人に金一三〇〇円を交付したことは認められない旨の原

審の判断を非難するものであるが、右判断は、証拠関係に照し、相当である。

所論は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断ないし事実の認定を非

難するに帰するから、採用できない。

同第二の二(イ)について。

単独の裁判官の更迭があつた場合および合議体の裁判官の過半数が更迭した場合

において、従前尋問した証人について当事者がさらに尋問の申出をしたときは、裁

判所は、必ず、その尋問をしなければならない(民訴一八七条三項)が、控訴審に

おいて一審で尋問した証人につき当事者がさらに尋問の申出をしても、裁判所は、

必ずしも、その尋問をしなければならないものではない。このことは、同条の文言

上、明らかである(当裁判所昭和二七年一二月二五日第一小法廷判決、民集六巻一

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二四〇頁参照)。したがつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は理由がない。

同第二の二(ロ)について。

控訴人が本件土地を買い受けた後毎年被控訴人方から控訴人方に米が届けられ、

控訴人はそれを収納小作米から税金を引いた残であると了解していたが、昭和八年

頃からはそれが絶えたことが認められる旨の原審の認定は、原判決挙示の証拠によ

り、肯認しえないことはない。所論は、原判決を正解しないで、原審の適法にした

証拠の取捨判断および事実の認定を非難するにすぎないから、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

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