大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)363 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人円山田作、同円山雅也の上告理由について。

論旨は、原判決が甲三号証(理由の明示されていない鑑定書)を判断の資料にし

たのは違法であるというが、しかし、右鑑定は本件外で(競売開始決定に先立ち評

価のため)なされたもので、しかも右鑑定書は書証として提出されているにすぎな

いから、これに鑑定理由の明示ありや否やは証拠能力に影響なく、単に心証に影響

するに止まる(昭和三三年(オ)第六五九号同三五年三月一〇日第一小法廷判決、

民集一四巻三号三八九頁参照)。これを原判決挙示の他の証拠と総合してなしたる

原判示には所論の違法はない。

次に、論旨は判示賃借権が存することにより本件抵当不動産の価額が低下する理

由を判示しないことの違法を主張するが、しかし、原審は、原判決挙示の諸証拠に

より、本件の場合原判示賃貸借の存在により本件抵当不動産の価格が低落し、抵当

権者たる被上告人に損害を及ぼすべきことを認定したものであつて、これは、所論

の判例の判示と相容れない見解に立脚するものとはいい難いのみならず、その認定

に何ら違法と見るべき点はない。 (右認定に当り低落の理由を判示しなくても違

法とはいえない)。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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