大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)405 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人水崎幸蔵の上告理由第一点について。

所論は理由不備をいうが、有限会社は貸金を業とするものも商人と看做される(

有限会社法二条)のであるから、原判決挙示の証拠によつて認められる本件消費貸

借は、有限会社である被上告会社がその営業行為としてこれをなしたものであるこ

と極めて明らかであるので、右貸借は商法施行法一一七条にいう商事貸借であると

いわねばならない。これと同趣旨にいでた原判決の所論判示には理由不備の違法あ

るものというをえない。

同第二点について。

抵当権は不可分性を有し、その被担保債権額が一部弁済により減少しても、これ

によつて変更消滅を来すものでないのを原則とするから、本訴において所論の被担

保債権の一部が消滅したからといつて、なお判示の如く残存債務がある以上、本件

抵当権は存在しないものとはいえない。されば、本件抵当権不存在確認の請求を全

部につき棄却した原判決は正当であつて、論旨は、これと異る独自の見解で採用す

ることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

- 1 -

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!