最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)46 判決
主 文
原判決を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人成富信夫、同川崎友夫、同成富安信、同風間武雄、同山分栄の上告理
由第三点について。
原判決は、その主文において「控訴人は被控訴人に対し、原判決(第一審判決)
末尾添付目録記載の建物について、債権額を元本四一万九、四五六円およびこれに
対する昭和二九年三月一八日から完済に至るまで年六分の法定利息、債務者を渋谷
区ab丁目C番地Dとし、昭和二八年三月一二日付抵当権設定契約に基づく抵当権
設定登記手続をせよ。」と判示しているのであって、所論のように前記建物につき
昭和二八年一二月一七日付仮登記仮処分命令に基づく東京地方裁判所の嘱託による
抵当権設定仮登記の本登記手続を命じているものではない。しかしながら、原判決
は、その理由において、控訴人(被上告人)は、右仮登記後抵当権設定者である訴
外Eより本件建物の譲渡を受けた者である事実を確定し、控訴人が前記抵当権設定
登記義務を負担するのは、本件建物につき右抵当権設定仮登記があるためである旨
を説示するから原判決の理由は控訴人において右仮登記の本登記手続をなすべき義
務がある旨を判示したものと思われる。即ち、原判決の主文と理由との間に齟齬が
あり、原判決はこの点において破棄を免れない。
本件は、この点に関する当事者の主張を釈明した上審理判断をする必要があるか
ら、本件を原審東京高等裁判所に差し戻すべきである。
よって、その余の上告理由に関する判断を省略し、民訴法第四〇七条に従い、裁
判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
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裁判長裁判官 柏 原 語 六
裁判官 石 坂 修 一
裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 横 田 正 俊
裁判官 田 中 二 郎
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