大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)921 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人菅野虎雄の上告理由第一点について。

原審は、所論営業の実権は訴外D夫妻にあつて被上告人はその形式上の名義人で

はあつたけれども、現実においては、単に、営業主である右Dの一介の使用人にと

どまつて居つた旨を認定し、かつ、原判示の諸事情の下においては、上告人が被上

告人を所論の営業主と誤認して居つたか否か甚だ疑わしく、仮にかく誤認して居つ

たとしても、それについては上告人に重大なる過失があつた旨認定した上、この場

合、商法二三条及び民法一〇九条による被上告人の責任を生ずるものと解せられる

余地がないと判断して居る。右事実認定は、原判決挙示の証拠及び原判示の事実関

係によれば首肯し得るものであり、右判断も亦正当である。論旨引用の判例は、事

案を異にする本件に適切でない。

論旨は、結局、原判決を正解しないところから出たものであるか或は原審の認定

と異る事実を主張して原判決を非難するものであつて、採るを得ない。

同第二点について。

原審における上告人の所論主張は、本件貸金請求訴訟において被上告人が本件貸

金の事実を否認した態度を非難するに過ぎないものであつて、独立した攻撃防禦の

方法としてなされたものと解し得ない。したがつて、これに対し特に判断をなすこ

とを必要としないから、原審が所論の措置をしなかつたからといつて、違法とはい

えない。�

論旨は、理由がない。

同第三点について。

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論旨は、結局、原審の適法にした事実の認定を独自の見解に立つて非難するもの

であつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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