大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(あ)1240 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人青柳盛雄、同青柳孝夫の上告趣意第一点について。

所論は憲法違反をいうけれども、その実質は、単なる法令違反の主張であり、判

例違反をいう点は、その判例を具体的に明示していないから、適法な上告理由に当

らない。

同第二点について。

所論は、関税法一一〇条二項が、未遂を既遂と同一の刑に処するとしているのは、

未遂減軽の規定を有する一般刑法との権衡上、不合理であり、憲法三一条の趣旨に

違反すると主張する。

然し、関税法一一〇条二項の定める刑は「五年以下の懲役若しくは五〇万円以下

の罰金、又はその併科」であり懲役の下限は一月、罰金の下限は一〇〇〇円である

から、所定懲役刑又は罰金額の範囲内で未遂の事情を参酌して、未遂減軽の規定が

存する場合と実質的に同一の刑を量定する余地が十分あるのであつて、このような

法定刑の定め方を以て一般刑法に比して不合理とすべき点を見出すことができない。

このような場合同条同項が憲法三一条に違反するものでないことは当裁判所の判例

(昭和二三年(れ)第一〇三三号、同年一二月一五日大法廷判決、集二巻一三号一

七八三頁)の趣旨に照らして明らかであるから、論旨違憲の主張は採用できない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三八年一月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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