大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)178 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人中野忠治の上告理由第一点(1)(2)について。

原判決が上告人が訴外Dに対し本件売買契約締結の委任をしたこと、本件売買の

対象は立木石数であることに関してなした各判示は、その挙示する証拠関係からこ

れを肯認し得るところである。この点の論旨は、原審の認定にそわない事実を主張

して原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰するものである。

また、所論中原審が上告人の証人Eおよび同Fの各尋問申請を違法に却下したとの

点については、右各証人申請が却下されていることは、本件記録上明らかであるが、

当事者の申出た証拠方法については、それが唯一の証拠方法である場合を除き、審

理の経過から見て必要がないと認めるときは、その取調べを要しないことは既に当

裁判所判例(昭和二四年(オ)第九三号、同二七年一二月二五日第一小法廷判決、

民集六巻一二号一二四〇頁参照)の示すところであり、右各証人申請が唯一の証拠

方法に当らないことは、本件記録に徴して明らかであるから、原審が、審理の経過

からみて、所論の証拠申請を取調の要なきものとして却下したことについて、原判

決に所論の違法は存せず、論旨はいずれも採るを得ない。�

同第二点について。

所論の点について、原判決は「上告人(控訴人)は昭和三〇年一一月ころ弟G、

長男Hを現地に送り、人夫を使用して前記間伐木の伐採に当らせたところ、同年一

二月中買受けた立木が丸太石数で五五五石はないとの報告を受けたので、右Gに依

頼してDに買受立木が不足する旨申入れ、Dは被上告人(被控訴人)にその旨を伝

え、その指図により、Iとともに調査に当り、売渡立木の本数を数えた結果、契約

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本数には若干足りなかつたが、当時積雪のために数え残した伐根も予想され、大体

契約本数はあるとの結論に達した。しかるに上告人の意を受けたGはひそかにDに

対し用意した二万円を交付し、暗に上告人が買受けた以外の被上告人所有の立木を

伐採することを見逃して貰いたい意向を示し、Dもまた暗にこれを了承したので上

告人はそのころから昭和三元年一月にかけてG及びHを通じ人夫を使用して前記山

林中買受けた立木以外の被上告人所有の立木をも伐採させるに至つた」旨および上

告人が被上告人代理人であるDの承諾を得て右立木を伐採したとの上告人の主張は

認められない旨、各認定判示しており、右はその挙示する証拠関係、事実関係から

これを肯認し得るところであり、そして原判決が右認定事実その他の認定せる事実

から、上告人の本件行為は不法行為に該当し、同人に損害賠償義務がある旨判示し

たことは正当としてこれを肯認し得るところである。所論はひつきよう、原審の認

定にそわない事実を主張して、原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定並び

にこれに基づく正当な判断を非難するものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 田 中 二 郎

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