大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)25 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

論旨は、要するに、農地所有権移転許可処分取消請求の前訴において、徳島地方

裁判所が、右訴訟は訴願を経由しないため不適法なものであると判示したことにつ

き、原審が、この判断のあつた以上、仮にこれに誤りがあるとしても、その違法は、

民訴四二〇条一項九号所定の判断遺脱に当らないとしたのは、同条の解釈を誤つた

ものであると主張するにある。

しかしながら、裁判所が当事者の主張に対し判断を示すとは、その主張の採用す

べきものであるか否かに関する意見をその理由と共に表明することに外ならないの

であり、しかも、かゝる意見及びその理由が原判決に表明せられて居ること明らか

であるから、それが正当であると否とに拘りなく、民訴四二〇条一項九号所定の判

断遺脱があるものとは、なし得ない。

したがつて、右と同趣旨に出た原判決には、所論の違法はない。それのみならず、

前訴が訴願を経由して居らなかつたことは、前訴において、上告人の認めて居つた

ところであること、記録上明らかであるから前訴裁判所が右訴願の有無につき、証

拠上、審理判断したことは、無用に属する。

論旨は、結局、その前提を欠くに帰するものであつて、採用の限りでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 竪 磐

裁判官 横 田 正 俊

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