大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)639 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人滝島克久の上告理由一について。

民事調停規則五条は、調停の申立があつた事件につき訴訟が繋属ずる場合におい

て、右訴訟手続を中止するか否かを裁判所の自由裁量に委ねた趣旨と解すべきもの

である。このことは、最高裁判所の判例(昭和二七年(オ)第五七一号昭和二八年

一月二三日第二小法廷判決、民集七巻一号九二頁)とするところであつて、いまそ

の変更の必要を認めない。したがつて、原審が所論訴訟手続を中止しなかつたこと

に、所論の違法があるものといえない。

論旨は、右判例と相容れない独自の見解に立つて原判決を非難するものであつて、

理由がない。

同二について。

上告人は、本件につき適式の呼出を受けながら、第一審及び原審における各口頭

弁論期日に出頭しなかつたのみでなく、原判示控訴状のほかには、答弁書その他の

準備書面を提出して居らない。しかも、陳述したと看做された右控訴状には原判示

の如き記載があるにとどまつて、所論の如き、上告人において本件建物の所有権を

取得した、との事実については、何等主張がなされて居らない。されば、原審がD

株式会社において本件土地上に被上告人主張の本件建物を所有することにより、又、

上告人において右建物に居住することによりそれぞれ本件土地を占有して居るもの

であるとの被上告人主張事実は、上告人の明かに争わないところであると判示した

のは、もとより正当である。原審は、所論の点につき所論の如き釈明をなすべき必

要があるとは考えられない。したがつて、かかる釈明をなさなかつた原審に所論の

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違法はない。

論旨は、理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 横 田 正 俊

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