大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)74 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人柴田治の上告理由一、二、について。

原判決は、被控訴人(被上告人)は昭和二六年六月一八日訴外D工業株式会社が

控訴人(上告人)に対し有する元金二五万円の貸金債権の譲渡を受け、右譲受けに

つき控訴人の承諾を受けると同時に弁済期を昭和二六年七月一七日遅延損害金を日

歩三〇銭(月九歩)とする旨を約し、その支払確保のため控訴人より右元本額を額

面とし、右弁済期を満期とし、右遅延損害金の特約の記載してある約束手形一通の

振り出し交付を受けたこと、ついで昭和二六年一一月二日控訴人に対し金一〇万円

を弁済期を同年一二月一日とし、利息月七分、遅延損害金を月九分として貸付け、

その支払確保のため元金を額面とし、右弁済期を満期とし、右遅延損害金の特約を

記載した約束手形一通の振り出し交付を受けたことを認定したものであつて、右認

定はその所掲の証拠により肯認できる。所論のうち、右事実認定を争う部分は原審

の適法に確定した事実を争うことに帰着するから採用できない。而して、既判力の

法則違反をいう所論は、所論指摘の手形金請求の別訴において右貸付金債権および

その遅延損害金債権の不存在が確定されたというものではないから、本訴において

右貸付金債権およびその遅延損害金債権の存在を認定することは、何ら別訴確定判

決の既判力に抵触するものではない。また、貸付金債権の支払確保のため振り出さ

れた約束手形金およびその約定損害金の請求訴訟において本案判決が確定したから

といつて、貸付金債権およびその遅延損害金の請求訴訟を提起しえないと解すべき

根拠もない。原判決に所論の理由不備の違法も認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

- 1 -

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!