大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)879 判決

主 文

原判決中上告人ら敗訴部分を破棄する。

右部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人滝沢齊の上告理由について。

原審は、本件建物は、はじめ、公簿上木造木羽葺平家建居宅一棟建坪一一坪二合

五勺、附属木造木羽葺平家建作業場一棟建坪一〇坪であつたが、上告人Aが借受後

これを増築し、現況居宅建坪三二坪五合五勺となつた事実を認定し、直ちに右増築

部分は附合により被上告人の所有となつたものと判断したのである。しかし、附合

が成立するためには、物が特定の不動産の従として接合することを要すること民法

二四二条の規定上明白であるところ、原判決挙示の証拠中附合の成否に触れるもの

は上告人A本人の第一審における供述のみであるが、該供述とても、「その後増改

築した費用は私が出したものです」「増築部分は約一〇坪ぐらいです」(記録一二

九丁裏)というすこぶる簡単なものであつて、これでは従前の建物と増築部分の接

合状態の如何を示す証拠としては不十分というほかなく、このほかには、附合を肯

認するに足る証拠もしくは事実関係は原判文上なんら明らかにされていないのであ

る。のみならず、当初主屋と附属建物の二棟から成つていた本件建物が増築されて

現況は居宅一棟となつたというのであれば、増築部分が従前の建物といかに接合し

たかという経緯およびその態様は附合の成否を判断するのに欠くことのできない事

実問題であるにかかわらず、原判決はこの点についてもなんら解明するところがな

いのである。叙上によれば、原判決は民法二四二条の解釈適用を誤つたか、もしく

は、理由不備の違法に陥つたものといわざるをえず、論旨は理由があり、原判決中

上告人ら敗訴部分は破棄を免れない。�

よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

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