大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(あ)2220 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同其二は、

事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に

当らない。

弁護人杉本粂太郎の上告趣意第一点は、被告人が公共の福祉を目的として行なつ

た本件行為を有罪と判断した原判決には、憲法二一条の解釈を誤つた違法がある旨

を主張する。しかしながら、他人の名誉を毀損する記事を新聞紙に掲載し、これを

配布して他人の名誉を毀損し、あるいは虚偽の風説を流布して他人の業務を妨害す

ることは、言論の自由の濫用であつて、憲法二一条の保障する言論の自由の範囲内

に属するものとは認められない。このことは、当裁判所の判例(昭和二八年(オ)

第一二四一号、同三一年七月四日大法廷判決、民集一〇巻七号七八五頁。)の趣旨

に徴して明らかであり、原判決にはなんら憲法二一条の解釈を誤つた違法はなく、

論旨は理由がない。その余の所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、

刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点は、単なる法令違反の主張であり、同第三点は、違憲をいうかのごとき

点もあるが、実質は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五

条の上告理由に当らない。

また、記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条、一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり判決する。

昭和四〇年四月一三日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

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