大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)1208 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を札幌高等裁判所へ差し戻す。

理 由

上告代理人岩沢誠の上告理由第一点、同大塚重親、同古田渉の上告理由第一点に

ついて。

原判決は、被上告人は昭和二二年五月一八日頃、上告人A1らとの間に原判決第

三目録記載の土地の一部を含む被上告人の所有地四町歩を代金三千円で売り渡す旨

の契約を締結したが、その後間もなく当事者間の合意により右売買契約を解除した

事実があるところから、上告人ら主張の売買契約と右合意解除により消滅した売買

契約とを混同し、その錯誤によつて本件自白をなしたものと認定しているのである。

しかしながら、上告人らが本件において請求原因として主張する売買契約は、成

立の日時は昭和二三年二月二二日、目的物は原野二筆合計九町三反余、代金は三三、

六〇〇余円、買受人は上告人A2外五四名というのであつて、前記解除によつて消

滅したとされる売買契約とは、日時において九ヶ月、目的とちの面積において二倍、

代金において一一倍の開きがあるのみならず、買受人も異なるのであるから、特別

な事情がないかぎり、当の売渡人たる被上告人がこの両者を混同するとは考えられ

ないところである。�

しかるに、原判決は、特別な事情を認定することなく、自白後一〇年余をへてな

された被上告人の自白の撤回を、前示混同による錯誤に基づくものとし有効と認め

たのは、経験則に照らし肯認しえないものといわなければならない。論旨は理由あ

り、この点において原判決を破棄し、本件を原審に差し戻すべきものとする。

よつて、その余の上告理由に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、

裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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