大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)669 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大崎康博の上告理由第一点について。

原審の確定したところによれば、原判示の理由により甲第一号証の一及び四によ

つては破産会社が上告人主張の弁済をした事実を認めることはできないし、他にこ

れを認めるに足る証拠はなく、却つて、破産会社代表者Dが個人として保証債務の

履行としてその弁済をなした事実を認めうるというのであり、原審の右事実認定は、

原判決挙示の証拠により是認できなくはない。所論は、結局、原審の専権に属する

証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰するものであつて、採用できない。

同第二点について。

原審の確定したところによれば、被上告人B1同B2は所論代物弁済として受領

した商品を原判示の経緯により廃棄処分し、本件否認権行使時においては、前記商

品は同被上告人の責に帰すべき事由によらずして既にその価値を喪失して現存せざ

るにいたつていたというのであり、原審の右事実認定ないし判断は挙示の証拠によ

り是認できる。そして、代物弁済契約が否認された場合、その目的物の滅失等によ

り原物返還が不能である場合には、原物に代わる利得の返還をすべきところ、その

範囲は、否認された行為の時における目的物の価額ではなく、否認権の行使される

現時の価額を基準として決定すべきであると解すべきであるから、原審が、前記認

定の事実によれば、所論商法五二六条について論ずるまでもなく、上告人の被上告

人らに対する本訴請求は理由がない旨判断したのは正当である。原判決に所論の違

法はなく、所論は、結局、原審の前記認定を非難し、右認定にそわない事実を前提

として原判決を非難するに帰するものであつて、採用できない。よつて、民訴法四

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〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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