大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)681 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人中村健太郎の上告理由第一点について。

原判決挙示の証拠によれば、所論の点に関する原判決の認定した事実を容認しう

るところ、右認定した事実によると、本件預金契約は上告人と被上告人との間に成

立したものと認めるのが相当であり、この点の原判決の結論は正当として是認でき

る。�

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の裁量に属する証拠

の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。

同第二点について。

所論の点に関し、原判決(第一審判決引用。以下同じ)挙示の証拠によると、原

判決の認定した事実を容認しうるところ、右認定した事情のもとにおいては、訴外

Dが被上告人の機関として行為をしたものでないとする原判決の判断は当審も正当

として是認できる(論旨引用の判例は本件に適切でない)。

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、原判決の認定しない事実を前提

として原判決を非難するものであつて、採るをえない。

同第三点について。

第二点において判断したように、所論の点についての原判決の認定した事実のも

とにおいては、本件預金のDらに対する払戻が被上告人の代理人に対する支払とし

ての効果を認めがたいとする原判決の判断は、当審も是認しうる。

原判決には所論のような違法はなく、所論は、原審の認定しない事実を前提とし

て原判決を非難するか、原審の専権に属する事実の認定を非難するものであつて、

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採用しがたい。

同第四点について。

原判決が適法に認定したところによると、訴外Dが本件預金の預入に関与したこ

とは認められるが、右のような訴外Dの地位をもつて所論のごとく本件預金の払戻

について被上告人からなんらかの代理権を与えられたものと解することはできず、

したがつて、所論の点に関する原判決の判断は、当審も正当として是認しうる。

所論は、原審の認定しない事実を前提として原判決を非難するものであつて、採

用しがたい。

同第五点について。

原判決挙示の証拠によれば、所論の点に関する原判決の認定した事実を容認しう

るところ、右認定した事実のもとにおいて、上告人の訴外Dらに対する弁済をもつ

て本件預金債権の準占有者に対する弁済として免責を認めることができないとした

原判決の判断は、正当として是認しうる。

原判決に所論の違法なく、論旨は、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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