大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)84 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小泉頼一の上告理由第一点について。

所論の証拠は、原審認定の事実と矛盾し、これと絶対的に両立しえない証拠方法

とは解せられず、したがつて、原審判決が原審認定の事実について、「他にこれを

左右するに足りる証拠はない」と判示して、所論の証拠について特にふれなかつた

としても、違法とはいいがたい。

所論は排斥を免れない。

同第二点について。

第三者が民法第九四条第二項の規定により保護を受けるためには、自己が善意で

あつたことを主張、立証しなければならない(当裁判所昭和三二年(オ)第三三五

号第三小法廷判決、民集一四巻一号三六頁)から、所論は、前提を欠き、排斥を免

れない。�

同第三点について。

原審判決が適法に認定したところによると、昭和三五年四月一五日訴外Dが訴外

Eに対し負担する金三五万円の債務につき、上告人において右Eに代つてDの債権

者となり(もつとも、債権額は金五〇万円と加算された)、しかも、Dが上告人に

対し右債務を完済することを、上告人においてEに対してした本件物件についての

差押を解放することの条件とする趣旨の調停が成立したというのである。したがつ

て、右調停においては、Dが約定の弁済をしたときに上告人において本件強制執行

を解放する旨を約したにとどまり、所論のようにDにおいて本件強制執行(差押)

を認諾しているものとは解されないから、被上告人がDに代位して本件強制執行の

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不許を求めることは許されないとはいえない。

所論は、原審の認定しない事実を前提として原審判決を非難するものであつて採

用しがたい。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 田 中 二 郎

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