大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(オ)514 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人斎藤元秀、同清水健の上告理由第一点について。

論旨は、原判決は民法七七〇条一項五号の婚姻を続継しがたい重大な事由の発生

していることを認めながら、原告(上告人)が有責配偶者であることを理由として

離婚請求を棄却したのは同条の解釈をあやまつた違法があるといい、同条はいわゆ

る破綻主義をとつたものと解すべきで、従来の判例理論を変更すべきであるという

のであるが、しかし、婚姻関係が破綻した場合においても、その破綻につきもつぱ

らまたは主として原因を与えた当事者は、みずから離婚の請求をすることができな

いとすることは当裁判所の累次の判例とするところであり(第三小法廷判決昭和二

四年(オ)第一八七号同二七年二月一九日民集六巻二号一一〇頁、第二小法廷判決

同二九年(オ)第一一六号同年一一月五日民集八巻一一号二〇二三頁、第三小法廷

判決同二七年(オ)第一九六号同二九年一二月一四日民集八巻一二号二一四三頁、

第二小法廷判決同三一年(オ)第五二四号同三五年六月一七日民集一四巻八号一四

〇八頁、同小法廷判決同三五年(オ)第二一六号、同三八年六月七日判例時報三三

八号三頁参照。)今なおこれを変更する必要をみとめない。�

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、独自の見解に立つて原判決を非

難するものであり、失当として排斥を免れない。

同第二点について。

論旨は、いわゆる有責配偶者からの離婚請求を棄却するときの有責事由は相手方

の抗弁事実と解されるところ、本件原判決が右有責事由を判定するに至つた理由構

成の基礎となる証拠について判示していないのは、理由不備というべきである。と

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いうのであるが、原判決は、その挙示の証拠により各種の事実を認定したうえ、所

論主張の破綻原因を排斥し、かつ、右認定した事実によると、本件の婚姻関係の破

綻もつぱら上告人(原告)の責に帰すべき事由によるものである旨を判断ているこ

とは、その判文上明らかである。

原判決には、所論のような違法はなく所論は、原判決を正解しないことにもとづ

くものであつて、採用しがたい。

同第三点について。

論旨は、原判決が上告人(原告)の性格不一致の主張を排斥したのは失当であり、

審理不尽の違法があるというのであるが、結局、原審の専権に属する証挺の取捨選

択、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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