大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(オ)86 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人横山勝彦の上告理由第一点について。

所論は、原判決の「Dが本件転貸借について地主の承諾をえられないことを予想

していた」との事実の認定は証拠に基づかない独断であつて採証法則に違背するも

のであるというが、記録にあたつて調べてみるに、右は挙示の証拠関係から十分認

定できるところであり、その点に所論違法は存しないから、論旨は採用できない。

同第二点について。

所論は、前示事実認定について原判決の経験則違背をいうが、ひつきよう、原審

認定外の事実関係を掲げて、その専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難

するにすぎず、採用の限りでない。

同第三点について。

賃貸人の承諾のない転貸借において、転借人が後日地主に土地明渡を余儀なくさ

れたときは、これにより転貸人の転借人に対する債務は履行不能となるけれども、

転貸借の当時者間において当初から地主の承諾のないことを前提として契約をした

ときは、そのままでは転借権を地主に対抗できないのであるから、転貸人において

転借人に対し将来地主の承諾を得ることを約諾し又はこれを得ることが確実である

ことを保証した等特段の事由がない限り、右履行不能を以つて債務者たる転貸人の

責に帰すべき事由によるものということはできないところ、本件では、右のような

特段の事由は認められないとし、本件のような場合には、民法五六一条但書の規定

により同条本文の損害賠償請求もできないとしている原審判断は、首肯できる。�

所論は、転借人たるDは転貸人たる被上告人の代理人Eから絶対心配はいらない

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と保証されたので本件土地に移転したのであつて、このように転貸人において転借

人に対し転貸借の存続を保証した場合には、民法五六一条但書の適用はなく、転借

人において転貸人に対し同条本文の準用による損害賠償請求権を取得すると主張し、

この点について判断を示さなかつた原判決には民法同条規の解釈適用の誤りがある

というが、原判決は、前示のように所論保証の事実を含めて特段の事情が認められ

ないと判示しているのであつて、所論は、ひつきよう、原審の認定に反することを

前提として原判決の違法をいうに帰着し、すべて採用できない。�

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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