大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(行ツ)55 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岩田満夫、同多田武、同布施誠司の上告理由第一点について。

論旨は、本件に適用された公職選挙法二五一条の二及び二一一条の各規定は、憲

法一二条、一三条、一五条及び三一条に違反し、無効のものというにある。しかし、

これら公職選挙法の規定の定めるいわゆる連座制による当選無効の制度は、選挙運

動者の悪質な選挙運動を抑止し、選挙の公明適正を確保するためにきわめて効果的

であり、決して選挙制度の本旨にもとるものではなく、これら法律規定の本件にお

ける適用が憲法一三条、一五条または三一条に違背するところのないことは、当裁

判所大法廷が昭和三六年(オ)第一〇二七号事件及び同年(オ)第一一〇六号事件

につき同三七年三月一四日言い渡した判決(民集一六巻三号五三〇頁及び五三七頁

参照)の趣旨に徴しても明らかである。論旨は、なお、憲法一二条違反を主張する

が、憲法の保障する国民の権利、自由は、また国民の義務と責任を伴うことを宣言

する趣旨の同条によつて連座制の立法を非難するのは、そもそも論理の前提を欠く

ものであつて、判断のかぎりでない。論旨は採用することができない、

同第二点について。

論旨は、公職選挙法二五一条の二、一項二号に掲げる出納責任者とは、実質的に

選挙運動に関する収支にたずさわり出納責任者としての法定の職務を行なつた者を

指すものとし、原判決が、これを出納責任者としての事務を実際行なつたかどうか

には関係ないものと解して本件の連座を認めたのをもつて、法律の解釈適用を誤つ

たものというにある。しかし、原判決は、証拠に基づいて、上告人の出納責任者と

して適法に届け出でられた訴外Dが上告人の選挙運動に関する収支にたずさわつて

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いたことを認定し、これに反する上告人の事実の主張を肯認しがたい旨判示してい

るのであるから、所論のような見解の当否を審査するまでもなく、原判決が上告人

の当選を無効とした判断は正当であつて、論旨は理由がないものといわなければな

らない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

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