大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(行ニ)5 決定

主 文

本件申立を却下する。

申立費用は申立人の負担とする。

理 由

申立代理人は、被申立人が昭和三二年一一月一四日汽船D丸機附帆船E丸衝突事

件につき申立人に対して言い渡した裁決の執行は本案判決の確定するまでこれを停

止する旨の裁判を求め、その申立の理由として、被申立人は、汽船D丸機附帆船E

丸衝突事件につき、昭和三二年一一月一四日申立人の乙種一等航海士の業務を一箇

月停止するとの裁決をなし、これがため、申立人は昭和三二年一一月一八日附で裁

決執行者である海難審判理事所の理事官から右申立人受有免状の提出命令を受け、

その後も速かに提出するよう督促されている次第であり、申立人は、右裁決に対し

て不服ありとして昭和三二年一二月四日東京高守裁判所にその取消の訴を提起した

ところ、昭和三九年五月三〇日申立人の請求を棄却する旨の判決があり、さらに同

年六月一三日当裁判所に上告を申し立てたのであるが、このままでは被申立人の裁

決を執行される虞れがあり、万一執行されるにおいては、後日勝訴しても回復しが

たい不利益を被ることとなるので、その執行の停止を求めるというのである。

しかし、海難審判法五七条には、裁決は確定の後これを執行するとあり、同条に

よれば、本件裁決は、その取消訴訟の上告事件が現に当裁判所に係属する間は確定

せず、したがつて、いまだその執行の段階に立ち至つていないものといわなければ

ならない。昭和三七年法律第一四〇号による海難審判法五五条削除前の同法の解釈

としてはともかく、その削除後においては、右のごとく解するのを相当とする。し

たがつて、本件申立人については、右裁決の執行の停止を求める必要はなく、これ

を求める利益も認めることはできない。

よつて本件申立を却下し、申立費用は申立人の負担すべきものとし、主文のとお

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り決定する。

昭和三九年一一月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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