大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和40(オ)257 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由一について。

被上告人が本件損害賠償契約は昭和二八年六月成立したと主張するのに対し、上

告人が右主張の損害賠償契約が被上告人と上告人との間に締結されたことを認めた

ことは原判決引用の第一審判決事実摘示欄記載のとおりであるが、記録に当つて見

ても、右契約成立の時期についてまでも被上告人の主張を上告人が争わなかつたも

のとはとれないし、被上告人が右契約成立の時期を昭和二八年六月と主張したのに

対し、原判決がこれを昭和二九年六月三日と認定したからといつて、請求原因事実

の主張と認定との間に同一性を失つたとは解されないから、所論違法はない。また、

所論約束手形が本件損害賠償契約前に交付されたもので担保のために授受されたも

のであるとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に徴して肯認できる。な

お、原判決引用の第一審判決添付別紙計算書の項目中に昭和二九年六月三日以前の

支払分の記載があり、原判決が本件契約締結前の右支払分を本件賠償金に対する支

払済分として控除していることは、所論指摘のとおりであるが、前示のごとく、本

件契約の成立に関する原審の認定が肯認される以上、右控除は、ひつきよう、上告

人のために有利な判断にほかならないから、上告人において右判断の違法を理由と

して上告を申立てることをえないものといわなければならない。所論は、すべて採

用できない。

同二について。

所論五万円は本件損害賠償契約債務とは別な金四〇万円の約束手形金債務の利息

として支払われたものであつて、上告人主張の如く立替金として被上告人のために

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支払われたものではないとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠に徴して肯認

できるし、右四〇万円の約束手形金の特定判示は原判決引用の第一審判決の判文上

明瞭になされていて、所論認定判断に関し釈明権不行使ないし理由不備の違法は存

しないから、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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