大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和40(オ)94 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人坂野英雄の上告理由について。

原判決によると、本件第一審判決正本が昭和三九年七月三一日執行吏代理によつ

て控訴代理人弁護士坂野英雄(上告代理人)の事務所に送達され、同弁護士に雇わ

れている書生Dが送達報告書の受領者欄に同弁護士の記名押印をしてこれを受領し、

右事務所の存する同一建物内にある訴外E産業株式会社の従業員Fにその取次方を

託して帰郷したところ、控訴代理人がその主張の経緯のもとに同年八月三日同女よ

り右正本の交付を受けたものであり、本件控訴状が法定の控訴期間内に提出されえ

なかつたのは、Dが前記七月三一日に右正本を受領しながら、その日に送達された

という事実を送達名宛人である控訴代理人に確知せしめる適当な連絡処置をとらず

に帰郷し、さらに、同人が郷里から戻つた八月六日以後にもこのことを絶えて控訴

代理人に告げなかつたため、控訴代理人において送達のあつた日を自己が右正本を

入手した前示八月三日であると誤解したことによるものであることが窺われるとい

うのである。�

このような事実関係のもとにおいては、前記Dに対する右判決正本の送達が不適

法となつて補充送達としての効力がなくなるものとはいえないとした原判示ならび

に本件控訴期間の徒過が民訴法一五九条にいう「当事者カ其ノ責ニ帰スヘカラサル

事由ニ因リ不変期間ヲ遵守スルコト能ハサリシ場合」にあたらないとした原判示は、

いずれも、正当として是認すべきである。論旨は、独自の法律的見解に立脚して原

判決を非難するものであつて、採用するを得ない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

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とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 下 村 三 郎

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