大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和41(あ)1205 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人馬屋原成男の上告趣意第一点は、違憲(一九条、二一条違反)をいうが、

原判決は、所論のように、文書の内容、テーマ自体にわいせつ性があるとし、表現

の具体性。露骨性のいかんに関係なく内心の思想そのものを処罰の対象とし、また、

セツクスの描写それ自体をわいせつとしたものではなく、いんわいな性行為。性交

渉の叙述に終始している本件各文書が、読者をしていたずらに性欲を興奮、刺激さ

せ、正常な人の性的しゆうち心を害し、善良な性的道義観念に反する内容のもので

あるとして、これをわいせつ文書としているのであるから、所論は前提を欠き、上

告適法の理由に当らない。

同第二点は、判例違反をいうが、所論一引用の各判例は、いずれもわいせつ性を

認める要件として、露骨、具体的な描写を必要としているわけではなく、また、原

判決は、所論二引用の各判例に反するなんらの判断をも示していないものであるか

ら、所論は前提を欠き、上告適法の理由に当らない。

同第三点は、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、上告適法の理由に当ら

ない。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四二年一〇月三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 松 本 正 雄

裁判官 田 中 二 郎

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裁判官 下 村 三 郎

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