大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和41(あ)614 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人宗本甲治、同西村諒一の上告趣意第一点は、憲法三六条違反を主張するが、

同条にいう「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的肉体的苦痛を内容とする人道上残

酷と認められる刑罰を意味するのであつて、事実審の裁判官が普通の刑を法律の許

す範囲内で量定した場合において、それが被告人の側からみて過重な刑であるとし

ても、これを以て直ちに残虐な刑罰を禁止した憲法の規定に違反するものといえな

いことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三二三号、同二三年六月二三日大

法廷判決、刑集第二巻七号七七七頁)とするところであるから、所論は理由がなく、

同第二点は、憲法一四条違反を主張するが、原判決は、所論の弁償の事実のほか、

被告人の利益となる諸事情を考慮に容れても、犯罪の情状からみて第一審判決の量

刑は重きに失するとは認め難いと判断したのであつて、同条所定の事由によつて被

告人を差別待遇したのではないから、所論は前提を欠き、同第三点は、量刑不当の

主張であつて、適法な上告理由に当らない。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和四一年九月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

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