最高裁判所第三小法廷 昭和41(さ)3 判決
主 文
原略式命令を破棄する。
被告人を罰金二万五〇〇〇円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した
期間、被告人を労役場に留置する。
理 由
福岡簡易裁判所が、被告人に対する傷害被告事件(同庁昭和四〇年(い)一三八
二号)について、同年六月二日付の略式命令により、被告人の傷害の事実を認定し
て、同人を罰金四万円(その不完納の場合には、金五〇〇円を一日に換算)に処し、
右略式命令が同年七月一七日確定したことは、記録上明らかである。
ところで、刑法二〇四条、罰金等臨時措置法三条一項一号によれば、傷害罪の罰
金の法定刑の最高額は二万五〇〇〇円であるから、これを超過して被告人を罰金四
万円に処した右略式命令は、法令に違反していることが明らかであり、しかも、被
告人のため不利益であるといわなければならない。
よつて、刑訴法四五八条一号但書により、主文第一項のとおり原略式命令を破棄
し、被告事件につき、さらに判決することとする。原略式命令によつて確定された
傷害の事実に法令を適用すると、該事実は、刑法二〇四条に該当するから、所定刑
中罰金刑を選択し、罰金等臨時措置法二条一項、三条一項一号に則り、主文第二項
の罰金刑に処し、換刑処分につき、刑法一八条を適用して主文第三項のとおり定め、
主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員一致の意見によるものである。
検察官 横井大三公判出席
昭和四一年六月二八日
最高裁判所第三小法廷
- 1 -
裁判長裁判官 田 中 二 郎
裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 柏 原 語 六
裁判官 下 村 三 郎
- 2 -