大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和41(オ)292 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人杉山朝之進の上告理由について。

工事請負人が工事を下請負させた場合においても、元請負人と下請負人との間に

実質的な指揮監督の関係があるときは、元請負人は、民法七一五条の規定により、

下請負人がその工事の施行について他人に加えた損害を賠償する責に任ずるものと

解すべきである。

原審が適法に確定したところによれば、訴外Dから本件ビルの建築工事を請負つ

た上告人は、右工事のうち基礎工事たるコンクリート製柱の打込工事を訴外E建築

工業株式会社に請負わせ、右工事現場に係員を派遣して同工事が上告人の設計どお

り施行されるよう指図、監督しており、右訴外会社は、下請負にかかる右工事の施

行について被上告人らに損害を与えた、というのである。

右事実関係のもとにおいては、上告人と右訴外会社との間には前記指揮監督の関

係があり、上告人は、民法七一五条所定の「或事業ノ為メニ他人ヲ使用スル者」に

該当するものというべく、上告人は、被上告人らが被つた前記損害を賠償する責に

任ずべきであるとした原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はない。論

旨は独自の見解として排斥を免れない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 下 村 三 郎

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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