大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和42(あ)1234 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島田武夫、同島田徳郎、同石川幸佑の上告趣意第一点は、判例違反をいう

が、原判決は、一審弁護人請求にかかる所論弁乙第一三号証ないし第四九号証(所

論に「弁第一号証ないし第三六号証」とあるのは誤りと認められる。)を弁護人の

控訴趣意に添つて考慮するための証拠として用いたものであり、犯罪事実の認定に

用いたものではないことは、原判決文上明らかであつて、従つて、原判決は、これ

を罪証に供したものではないから、所論判例違反の主張は、前提を欠き、適法な上

告理由にあたらない(なお、記録および証拠物によれば、所論弁乙第一三号証ない

し第四九号証については、第一審第一四回公判調書別紙証拠関係カードの「結果」

欄に記載を欠く等の違法があると認められるが、取調の順序欄に記載があり、かつ、

同公判において領置されている点から見れば、その取調はあつたものと認められ、

また、これらの証拠は、一、二審各判決が犯罪事実認定の証拠に用いたものではな

いことはもちろん、元来、被告人の主張に添う趣旨のものであるから、右の違法は、

右各判決に影響を及ぼさないことが明らかである。)。

弁護人島田武夫ほか二名の前記上告趣意第二点、第三点、同上告趣意補充一、弁

護人大橋茹の上告趣意第一点および弁護人林吉彦の上告趣意第一点は、いずれも事

実誤認の主張であり、弁護人島田武夫ほか二名の前記上告趣意第四点、上告趣意補

充二、弁護人大橋茹の上告趣意第二点および弁護人林吉彦の上告趣意第二点は、い

ずれも単なる法令違反の主張であり、弁護人島田武夫ほか二名の前記上告趣意第五

点および弁護人林吉彦の上告趣意第三点は、いずれも量刑不当の主張であつて、刑

訴法四〇五条の上告理由にあたらない(なお、記録および証拠物によれば、弁護人

島田武夫ほか二名の前記上告趣意第四点所論の検乙第一号証ないし第一二号証は、

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第一審裁判所は、これを証拠物として取り調べているところ、そのうち第一審判決

が証拠として挙示している検乙第一号証、同第五号証ないし第七号証、同第九号証

ないし第一二号証はいずれも証拠物であるが、同第八号証は証拠書類であり、その

ほかにも所論検乙第二号証のごときは証拠書類であつて、従つて、これらの証拠書

類の性質を有するものについて、第一審裁判所が刑訴法三二六条の同意その他証拠

とすることのできる要件がないのに証拠調をした点は違法であると認められる。し

かし、これらの証拠は、被告人および弁護人から何ら異議の申立もなく取り調べら

れたものであり、また、検乙第八号証を除いても、第一審判決判示第三の事実は、

その余の挙示する証拠によつてこれを認めることができるのであつて、右の違法は

一、二審各判決に影響を及ぼすものではない。)。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり決定する。

昭和四三年七月一六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 下 村 三 郎

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

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