大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和42(し)57 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

本件抗告の趣意は、別紙特別抗告申立書と題する書面記載のとおりである。

所論のうち、憲法七六条三項、三二条違反をいう点については、刑訴法四三五条

六号にいわゆる「原判決においで認めた罪より軽い罪」とは、原判決が認めた犯罪

よりその法定刑の軽い他の犯罪をいうものであつて、原判決が認定した犯罪につき、

原判決の科した刑より軽い刑をもつて処断すべき情状のある場合を含まないことは、

当裁判所大法廷の判例(昭和二三年(つ)第一二号同二五年四月二一日決定、刑集

四巻四号六六六頁)の趣旨に徴し明らかであるところ、申立人に対する詐欺被告事

件につき、昭和四一年三月四日東京地方裁判所が言い渡した有罪の確定判決は、犯

罪行為としては詐欺の事実を認定したにすぎず、右詐欺の犯罪行為にいたるまでの

経過の記載は、情状として記載されたものであつて、情状の名目で訴因外の公文書

偽造および偽造公文書行使の各罪を認定しているものでない旨の原判断は正当であ

るから、所論違憲の主張はその前提を欠き、その余の論旨は、右確定判決に対する

単なる訴訟法違反の主張に帰し、いずれも刑訴法四三三条の抗告理由に当らない。

よつて、同四三四条、四二六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり

決定する。

昭和四二年一〇月三一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 下 村 三 郎

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 松 本 正 雄

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