最高裁判所第三小法廷 昭和42(オ)475 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人野本豊の上告理由第一点について。
原判決が適法に確定したところによれば、上告人Aは、昭和二六年三月七日未登
記であつた本件(甲)号家屋について所有者Dに無断で自己名義に所有権保存登記
を経由し、また、本件(乙)(丙)各号土地について、所有者Dの贈与証書、委任
状などの登記関係書類を偽造し、昭和二七年三月一四日Dから自己に対する贈与を
原因とする所有権移転登記を経由したというのである。しかし、原審は、さらに、
Dは昭和二七年六月初頃右(甲)(乙)(丙)各号の家屋土地を被上告人Bの所有
名義にすることを承諾し、同被上告人に贈与したこと、そこで、上告人Aは右の趣
旨に従つて自己の所有名義となつていた右家屋土地について自己から同被上告人へ
の所有権移転登記をしたことを確定しているのであるから、右上告人A名義の登記
に前示のような事情があつたとしても、右被上告人Bのための各所有権移転登記は
実体的な権利関係に符合し有効であるというべきであり、原審の判断は正当である。
原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
同第二点について。
原判決挙示の証拠によれば、所論の点に関する原審の認定判断は肯認することが
できる。所論は、原審が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰す
る。原判決に所論の違法はなく、論旨は採ることができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
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裁判長裁判官 下 村 三 郎
裁判官 田 中 二 郎
裁判官 松 本 正 雄
裁判官 飯 村 義 美
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