最高裁判所第三小法廷 昭和43(あ)1102 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人熊野一良の上告趣意第一のうち、憲法三七条三項違反をいう点について。
憲法三七条三項前段所定の弁護人を依頼する権利は、被告人がみずから行使すべ
きもので、裁判所は、被告人にこの権利を行使する機会を与え、その行使を妨げな
ければよいものである(昭和二四年一一月三〇日大法廷判決・刑集三巻一一号一八
五七頁)ところ、記録によると、被告人は、第一審判決の宣告された昭和四一年一
二月一日に、配偶者Aによつて弁護士熊野一良を弁護人に選任し、原審の手続の終
了するまで同弁護人の弁護を受けたことが明らかであるから、所論は採ることがで
きない。
同第一のその余は、憲法三一条違反をいう点もあるが、実質は単なる法令違反の
主張であり、同第二は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、いずれも上告適法の
理由にあたらない。
また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
昭和四三年一〇月八日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 田 中 二 郎
裁判官 下 村 三 郎
裁判官 松 本 正 雄
裁判官 飯 村 義 美
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