大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和43(あ)1181 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意中憲法三八条違反をいう点は、記録を調べても、所論各供述調

書に任意性を疑うべき点は認められないとした原審の判断は相当であるから、所論

は前提を欠き、憲法三四条違反をいう点は、仮に、所論のように、当時被疑者であ

つた被告人と弁護人との間の接見交通に対し検祭官による不法な制限があつたとし

ても、本件においては、その制限があるとされた以前の段階において被告人が犯行

を全面的に自白しており、しかも、第一審の公判において、被告人側は所論の自白

調書をすべて証拠とすることに同意していることが記録上明らかであるから、所論

違憲の主張は、結局判決に影響を及ぼさない訴訟法違反のあることを前提とするも

のであつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。

被告人本人のその余の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、

適法な上告理由にあたらない。

弁護人鶴見祐策、同駿河哲男の上告趣意第一点中憲法三一条、三四条、三八条違

反(見出しに「第四条違反」とあるのは、「第三八条違反」の誤記と認める。)を

いう点は、結局判決に影響を及ぼさない訴訟法違反のあることを前提とする主張で

あつて、適法な上告理由にあたらないことは、さきに被告人本人の憲法三四条違反

の上告趣意について判示したとおりであり、その余の論旨は、単なる法令違反、事

実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

弁護人両名の上告趣意第二点は、事実誤認の主張、同第三点は、量刑不当の主張

であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。

同第四点は、原判決の是認した第一審判決が本件に適用した刑法二四〇条後段が

死刑を定めているのは、憲法三六条、三一条に違反すると主張するが、死刑を定め

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た刑法の規定が憲法三六条、三一条に違反しないことは、所論摘示の昭和二二年(

れ)第一一号同二三年三月一二日大法廷判決(刑集二巻三号一九一頁)の示すとこ

ろであり、いまだこれを変更すべきものとは認められないから、所論は理由がない。

なお、記録を調べても、原判決および原判決が維持した第一審判決の事実認定に

誤りがあるものとは認められず、本件の犯情に照らせば、第一審判決が被告人に極

刑を科し、原判決がこれを是認したのも、まことにやむをえないものと認められ、

本件につき、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり判決する。

検察官 八木胖公判出席

昭和四四年一二月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

裁判官 関 根 小 郷

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